中古マンション売却の手続き 必要書類
マンションの売却を思い立ったら、まずは、手元にある物件に関する資料・情報をまとめましょう。そうしておけば、仲介を依頼する不動産会社に聞かれても慌てることなく進められますし、売却活動のなかで情報提供として活用することもできます。また、必要書類の中には、価格等の条件交渉の際に有利になるものもあるので、住まいに関わる書類は日頃からまとめて保管しておくとよいでしょう。
必要な書類は大きく分けると「売り主本人確認書類」「権利関係書類」「建物に関する書類」になります。
売り主本人確認の書類
・身分証明書
・実印
・印鑑証明書
・住民票
問題は、物件が親兄弟など共有名義になっている場合です。共有者全員の書類を揃えるのに時間がかかる場合もあるので、早めに準備しましょう。ただし、印鑑証明書など有効期限があるものは、発行から3か月以内が有効期限なので注意しましょう。また、住民票は物件の住所と現住所が異なる場合に必要となります。
権利関係の書類
・権利書(「登記済権利書」または「登記識別情報」)
権利書とは、法務局から登記名義人に交付される書類で、物件の所有者を証明する重要な書類です。平成17年以降に取得された物件の場合は、登記済権利書ではなく、登記識別情報が発行されている場合もあります。
引き渡しの際には、この権利書等を買い主に渡して、移転登記が行われることで所有権が買い主に移ります。
問題は、権利書を紛失した・探したがどうしてもみつからない場合です。それでも、権利書を提出せずに所有権の移転を行うための手続きをとることは可能ですが、数週間時間がかかります。なので、権利書の所在は一番最初に確認しましょう。
権利書を提出せずに所有権の移転を行うための手続きについてですが、
方法1
登記所から登記名義人(売り主)あてに「事前通知」を出すことで本人であることの確認を行うことです。
「事前通知」とは、登記済証を提供すべき登記名義人の住所にあてて、本人限定受取郵便を送ります。この郵便には、登記の申請があったこと・申請が真実であれば2週間以内に間違いがないことの申し出をするように記載されています。そして、受け取った本人(売り主)が2週間以内に確かに申請したことを申し出ることをもって本人からの申請であることを確認します。
方法2
司法書士に委任する場合、司法書士が本人であることを確認した旨の書類「本人確認情報」を提供するか、公証人に同様の書類を提供してもらう方法もあります。
この場合は、別途費用が掛かりますので、司法書士や公証人に確認してください。
以上、詳細は、法務局の情報を参照してください
・固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
固定資産税は1月1日時点での所有者に年間の固定資産税が課税されますが、売却の時期に応じて買い主と負担額が調整されるのが一般的なため、納税額の確認をするために必要な書類です。最新の固定資産税納税通知書を用意してください。
また、所有権移転登記等に必要な登録免許税の算出にも必要となります。
建物に関する書類
・マンションの管理規約・使用細則、マンションの維持費(管理費・修繕積立金、管理組合費、町内会費 等)等に関する書類
これらの書類は、売買契約を結ぶ前に必要になる書類です。買い主にとっては、マンションの管理状態がどのようになっているのか、ペットの飼育の可不可や管理費・修繕積立金等のランニングコストがいくらになるのかなどは、マンション購入の重要な要因になります。
書類の受け渡し自体は、物件の引き渡しの際になります。
・耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書等
地震や耐震基準を守らない建築が問題になって以降、これらの報告書の提出が求められるケースが考えられます。書類がないと売却できないという法規制はありませんが、持っているのであれば用意しておきましょう。また、このような報告書がない場合で買い主から求められた場合は、誠実に回答・対応するようにしましょう。
その他の書類
上記以外にも、売却する物件に関する書類があれば準備しておきましょう。
地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書など、物件の構造を客観的に示す資料があるとわかりやすく、購入の決め手になる可能性もあります。
また、リフォームをした場合には、リフォーム内容がわかる資料もそろえておきましょう。
他にも、販売時のパンフレットや広告、購入時の重要事項説明書や契約内容がわかる資料も準備しましょう。
また、引き渡しを行う設備の取扱い説明書・マニュアル・保証書等があれば準備しておきましょう。
参考までに、一戸建て・土地の売買にて必要となる書類には、以下のものがあります
・土地測量図、境界確認書
・建築確認済証および検査済証、建築設計図書・工事記録書等
マンション売却に必要な書類リスト(必須:○ 任意:△)
○ 身分証明書→本人確認のため
○ 実印→共有名義の物件の場合は、共有者全員の実印
○ 印鑑証明書→発行から3か月以内のもの。実印同様、共有名義の場合は共有者全員分が必要
△ 住民票→売り主の現住所が売却物件の住所と異なる場合に必要。発行から3か月以内のもの
○ 登記済権利書または登記識別情報→売却物件の内容確認や所有権移転登記に必要
○ 固定資産税納税通知書及び固定資産税評価証明書→固定資産税や都市契約税などの確認及び負担額計算のため
△ ローン残高証明書またはローン返済予定表→売り主にローン残債がある場合に必要。残債および返済額がわかるものを用意
△ 銀行口座書類→売買代金(実際には諸費用などを差し引いた残金)の振り込みのために必要。銀行通帳など。
○ マンションの管理規約・使用細則など→マンションの管理内容および使用ルールがわかるもの
○ マンションの維持費がわかる資料→管理費、修繕積立金、管理組合費、町内会費など、購入者が入居後負担する費用の確認のため必要
△ 購入時の契約書・重要事項説明書など→所有していれば提示
△ 販売パンフレットなど→所有していれば提示
△ 引き渡しを行う設備の取扱い説明書・マニュアル・保証書など→所有していれば提示
△ 耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書等→耐震診断やアスベストの使用調査を行っている場合は書類を提示
△ その他、地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書など→保有している証明書があれば提示