中古マンションの訪問査定に必要な情報は何ですか?
Q)訪問査定では、どのような情報が必要ですか?
A)こちらにも記載している通り、実際に物件の状態(日当たりや周辺施設、室内の状況、管理状況など)を確認したり、法務局で登記記録も調査することがあります。物件を特定できる情報(住所、建物名など)以外に、登記記録(登記簿)や物件購入時の建築関係資料(パンフレット、図面、仕様書など)を用意しましょう。
では、簡易査定で一旦価格が出ているにも関わらず、訪問査定にて詳細に査定を行うとは、どのように査定を行うのでしょうか?
一般的には、「事例比較からの算出」+「時点修正」といった手法を使って査定が行われるようです。
「事例比較からの算出」
査定物件に近い条件の取引事例と、査定物件の個別性(階数・間取り・部屋の方位といった項目)について優劣を検討し、事例の不動産の価格を調整して、おおむねの価格を査定する 方法です。
不動産会社は、「宅地建物取引業法」により、査定価格についての根拠を示すことが必要とされるので、各社それぞれに価格査定のための基準を元に実施していますが、参考までに、財団法人不動産流通近代化センターの発行する「価格査定マニュアル」の目次から、査定基準となる項目を抜粋したものをご紹介します。ご覧になるとわかりますが、ほとんど購入時に検討する項目と同じなので、マンション購入時の資料やリフォーム時の関係資料を用意しておけば足りるでしょう。
1.経過年数
2.交通の便→徒歩圏かバス圏か
3.立地条件→・周辺環境 ・店舗への距離 ・公共施設利用の利便性
4.住宅位置→・所在階 ・開口部の方位 ・日照や通風の良否
5.専有部分→・室内の仕様や仕上げ ・室内の維持管理状況 ・柱/梁/天井の状況 ・収納の確保 ・LDの広さ ・バルコニーの広さ ・専用庭の有無 ・外からの騒音/振動
6.敷地→・土地についての権利
7.共有部分
建物部分→・建物の外壁仕上げ剤 ・外壁の状況 ・建物エントランス状況 ・耐震性 ・省エネルギー性能
設備・施設→・セキュリティ設備 ・インターネット対応 ・敷地内駐車場 ・自転車/バイク置き場 ・コミュニティ施設の有無
8.維持管理状況
計画修繕→・標準的な修繕積立金額 ・主要な修繕の実施状況 ・主要な図書の保有状況
保守・清掃の状況
管理員の勤務形態
上記の項目に対し、事例物件との優劣を数値化して、算定の査定価格を算出します。
「時点修正」
事例比較にて算出した査定価格に対し、比較対象のマンションの販売価格と経過年数および、売却時期の市場相場などを加味して査定価格を調整します。
また、上記以外に周辺の不動産動向を考慮したものを最終査定価格として算出するケースもあるようです。