6.マンション売却の流れ 条件交渉

6-1.条件の交渉

購入希望者が現れたら、契約にむけての交渉を始めますが、具体的には、購入の申し込みには、「買付証明書」「購入申込書」などと呼ばれる書類を作成し、不動産会社を通して売り主に渡されるケースが多いです。

記載事項は、
・購入希望価格
・代金の支払い条件
・引き渡し希望日
などの、基本的な購入条件および署名・捺印がされています。

この時点では、一般的には申し込み証拠金などの支払いはなく、提示された条件を検討して、売り主が契約の可能性があると判断した場合に本格的な個別交渉が始まります。
また、具体的な交渉は、売り主・買い主双方の不動産会社間で行うのが一般的です。

調整する条件(例)
・売買価格
・手付金の額
・引き渡しの時期
・瑕疵担保責任の期限
・建物や設備の補修を行うか否か
・公租公課(固定資産税や都市計画税)などの精算方法や金額

仲介の不動産会社は、売り主と買い主のそれぞれの希望条件を検討し、これまでの経験などから調整を行っていきますが、売り主としては、単に購入希望者の条件を全て受け入れたり、不動産会社の助言のままに交渉を進めるのではなく 、自分が納得する条件かどうかを慎重に判断しましょう。

特に価格については、互いに譲れないポイントですが、不動産会社から市場動向の情報やアドバイスをもらって、最終的には自分で判断することが大切です。また、価格は他の条件と一体で調整することもあります。 たとえば、建物や設備に不具合がある場合、補修を行わない代わりに売買価格を下げるなどといった調整も可能です。

このように、複数の条件を合わせて交渉することもあるので、不動産会社とよく相談して、円滑に交渉を進めるようにしましょう 。

6-2.重要事項説明の実施

契約条件の調整が済んだら、いよいよ売買契約に向けての準備に入りますが、 不動産の取り引きでは、物件や契約条件などに関する重要な事項について、不動産会社が買い主に説明します。これが重要事項説明です。

重要事項説明とは
宅地建物取引業法の規定により、不動産会社は、売買契約が締結されるまでの間に、買い主に対して物件や契約条件などにかかわる重要事項の説明をすることが義務付けられており、 重要事項説明は、宅地建物取引主任者が、内容を記載した書面に記名押印し、その文書を交付した上で、口頭で行わなければなりません。
これは、契約後のトラブル防止を図るためのものです。

重要事項説明書については、国土交通省から推奨のサンプルが出ていますので、目を通しておいてください。

上記から抜粋した重要事項説明の主な内容は以下の通りです。
・登記記録(登記簿)の記載事項
・法令に基づく制限の概要
・敷地と道路の関係、私道の負担に関する事項
・飲用水・ガス、電気の供給施設及び排水施設の整備状況
・工事完了時における形状、構造など
・一棟の建物または、その敷地の管理・使用に関する事項(マンションの場合)
・売買代金以外に授受される金銭に関する事項
・契約の解除に関する事項
・損害賠償額の予定や違約金に関する事項
・手付金などの保全措置の概要
・支払金または預り金の保全措置の概要

※重要事項説明の際の注意点
万が一、売り主が事前に知っていた情報を隠匿し、不動産会社に告げなかったことにより、買い主とトラブルが発生した時には、損害賠償問題に発展する可能性もあります。よって、売り主も、買い主に説明される重要事項説明の内容について確認しましょう。提供した情報が重要事項説明書に正しく、漏れなく記載されているか確認し、万が一問題がある場合には、ただちに不動産会社に重要事項説明書を修正してもらいましょう。

重要事項説明の流れについては、こちら

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