中古マンションがなかなか売れない場合のチェックリスト

中古マンションの売却では、一般的に販売開始から2週間以内にどれだけ内覧があるかが早期に希望価格で売れるバロメータと言われています。

一定期間がたってもなかなか物件を売却できない、だけではなく、内覧希望がない・少ない場合には、すぐに販売活動を見直す必要があります。

以下に、売れない原因と見直しのポイントの例を記載しますので、売却できない原因を分析し、不動産会社と対応を協議しましょう。

価格に原因がある

価格は、物件が売れない最も大きな原因です。

相場より高い価格設定になっていないか

→再度販売価格が適切か、相場と比較して高すぎる設定になっていないか確認しましょう。高すぎる価格になっているのであれば、すぐに売り出し価格の見直しが必要ですが、短期間で小出しに値下げして売れ残り物件のようなイメージを与えないよう、今後の動きを予想した上で価格設定をしましょう。※参考「中古マンション売却戦略 価格設定

物件自体に原因がある

内覧を実施したにもかかわらず、購入に至らない場合には、内覧した人のアンケートなどから以下のポイントをチェックしてみましょう。

・修繕したほうがよい箇所はないか
・不要なものは片づけるなど、好印象を与えるための準備を怠っていないか
・物件のメリットを適切に伝えているか
・デメリットを冷静に判断しているか

→内覧にやってきた購入希望者が玄関を入った瞬間の第一印象が「暗い」「汚い」「湿っぽい」だったり、部屋の中が「思ったより狭い」「使いづらそう」だったりすれば、なかなか購入意欲はわきません。内覧のポイントにあるように、できるかぎり「すっきり、広く、明るく、きれいに」見せることが大切です。この物件を買ったら、こんな生活ができそうと、テンションが上がるにはどのようにしておけばいいのか、購入希望者の気持ちになって再度お部屋の整理整頓・クリーンアップ・明るく広く見せるための工夫をしましょう。やりすぎは逆効果ですので、あくまでも購入希望者のテンションを下げる要因がないか確認しながらお部屋の準備をしましょう。また場合によっては物件のリフォームの実施を行うかについても仲介の不動産会社と検討しましょう。

→内覧の数が少ない場合は、物件をうまくアピールできていない可能性があります。広告・チラシでのアピール内容の変更や室内の写真を増やすオープンハウスの実施などを検討しましょう。

不動産会社の販売方法に問題がある

不動産会社から定期的に詳細の報告があるなど、良好なコミュニケーションが取れている場合は、上記に挙げた価格やアピール方法の見直しなどについて、不動産会社のほうから積極的な提案が行われるかもしれませんが、なかなかそうはいっていない場合、不動産会社の動きについて以下のポイントをチェックしてみましょう。

チラシ配布の実施状況や配布地域は適切か

→中古マンションの販売では、物件に近い地域の購入者が多いです。チラシがちゃんと配布されているか近所で聞きやすい人がいれば確認してみるなどしつつ、物件近隣の地域を含めた適切な地域に配布されているか確認しましょう。

レインズへの登録は行われているか

→専任媒介もしくは専属専任媒介契約を結んでいる場合は、レインズへの登録は義務になっていますが、念のため「登録されていますか?」と軽く声をかけておきましょう。また、一般媒介契約の場合は任意ですが、物件が売れていないという状況を踏まえ、各社に登録をお願いしてみましょう。

インターネット広告はどのサイトで行っているかと実際の確認

→レインズに登録され、不動産業者間の情報は適切に行われていても、それだけですぐに購入希望者が見つかるとは限りません。
最近は、インターネットの不動産物件検索サイトを使って物件を探す人も多いので、複数の有力サイトへの登録は必須です。仲介の不動産会社に「どのサイトに登録をしたか」を聞いて、自分でも実際に確認するようにしましょう、

いつでも内覧希望者を受け入れられる態勢を整えているか

内覧のコツにもあるように、売り主としては購入希望者からの内覧の申し込みは断ってはいけません。ですが、内覧申し込みはまず不動産会社に入るので、その時点で断っていないか、念のため確認しましょう。ほとんどの場合はちゃんと対応してくれているはずですので、疑ってかかるのではなく、あくまでも軽く声をかける程度で。もちろん、不審な点が見受けれれば、報告を促しましょう。

両手仲介を狙って物件の囲い込みをしていないか

→また、内覧を断っている様子がある場合、両手仲介を狙って物件の囲い込みをしている可能性があります。両手仲介とは売却の仲介を依頼された不動産会社が買い手も見つけることで、売り手と買い手の両方から仲介手数料を得ることです。この事自体はおかしいことでなく、同じ不動産会社にあなたの物件を希望する買い主が現れれば、何ら問題はありません。しかし、他の不動産会社が連れてきた買い主の内覧を断るのは、売り主としては見過ごしてはいけません。早期に希望する価格で売却するチャンスを逃すことになります。よって、この場合も率直にそんなことはしていないか確認しましょう。もし、不動産業者に知り合いがいれば、物件の確認をしてもらってもいいかもしれません。

周辺の他物件に対する引き立て役にされていないか

→内覧者はそこそこ来ているのに、契約に向かう話が全くない場合には注意が必要です。他の物件を引き立てるための比較材料にされている可能性があります。原因は、価格が相場より高かったり、物件のイメージが悪い(暗く見えたり、狭く見えたりなど)場合がほとんどですが、早く原因を突き止めて解消するようにしましょう。

定期的な報告や積極的な提案があるか

→販売開始から2週間以内で物件への反応が悪い場合(物件に関する問い合わせや内覧の申し込みが少ないなど)、不動産会社から積極的な販売方法のテコ入れ提案があってしかるべきです。専属専任契約や専任契約の場合は特にですし、定期的な報告も義務付けられているので、早期になるべく希望価格に近い金額で売却できるよう積極的にコミュニケーションをとってくれることが望ましいです。ですが、残念ながらそのような動きをしてくれなかったり、売り主側から上記にあるような売れない原因の確認や販売方法の変更の相談をしても回答が返ってこなかったり、囲い込みなど不審な動きがある場合には、不動産会社の変更も検討すべきです。媒介契約は一般・専任・専任専属のいずれも3か月が一旦の契約の切れ目になりますので、そのタイミングで別の会社・担当者に代えることも検討しましょう。

以上、いずれの場合も、それなりに価格をさげれば売れる可能性は高まりますが、売り主の状況次第でそうはできない場合も多いでしょう。
まずは売れない原因をよく考えて、適切な対処を行いましょう。
価格を下げる場合は、本当に価格を下げるべきか、いくら下げたら売れるのか十分検討しましょう。
物件検索サイトに長い間残ってしまうと、売れ残りといったイメージを与えてしまうので、買い替えで新居を購入しているのでなければ、しばらく売却を休止するのもひとつの選択肢です。

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