マンション売却の販売活動を開始後の売り主の活動

媒介契約を締結したら、さっそく販売活動の開始です。

5-1.売り主の活動

瑕疵の申告と対処

瑕疵とは、マンションの場合、設備の故障など(窓ガラスのひびや、室内の汚れ、床の傾きなど)の物件の欠陥のことです。

売却物件にこのような瑕疵がある場合、瑕疵の内容を明確にしたうえで売却する必要があります。

これは、売り主の義務です。

瑕疵については、最終的に買い主への重要事項説明書に記載します。

ここに記載のない場合、損害賠償や契約解除になってしまう場合もあるので注意が必要です。

また、瑕疵への対応によっては、売却の諸費用や売却価格に影響する可能性があります。

※瑕疵への対応
設備の故障・老朽化については、対処方法を含め、まず不動産会社と相談しましょう。

例えば、室内の汚れ(壁紙など)については、クリーニングやリフォームをしてから売りに出すという対処も考えられます。

その場合は、売却の諸費用として修復費用を追加負担することになります。

が、購入希望者の好みに合わない可能性もあるので、逆にリフォームせず、修復費用に相当する額を売却予定価格から差し引くことも一つの方法です。

このようにいろいろな対応方法が考えられますので、売り主が知りうる全ての瑕疵について、不動産会社に申告し、相談しましょう。

売却価格の決定

販売活動自体は、不動産会社がほとんどの業務を行いますが、売却価格については、最終的には売り主が決定します。

一般的には、希望売却価格と不動産会社の査定価格をベースに、 売却までのスケジュールや売却後に必要な資金などを考慮して決定していくことになります。

例えば、査定価格に近い価格で速やかに売却するのか、時間がかかっても希望価格で売りたいのかなど判断が必要です。

※売却にかかる諸費用

売却金額については、全てが手元に残るわけではありません。

仲介手数料など諸費用を差し引いたものが手元に残る資金となります。

物件や売却方法などによって、必要な諸費用の種類や金額は異なるため、不動産会社とも相談して、必要な諸費用を把握し、売却金額を決定する際の情報の一つとしてください 。

売却にかかる諸費用の例はこちら

内覧の準備

売り出し価格を決定すると、不動産会社が広告等を出し、販売活動が開始されます。

物件に関心のある依頼者が現れると、早々にも不動産会社が内覧に連れてきます。

チャンスを逃さぬよう、いつ内覧者が来ても良いように日頃から準備しておきましょう。

※内覧のポイントこちら

5-2.仲介不動産会社の活動

以下は、不動産会社が行う具体的な販売活動の一例です。

■物件調査

・売り主から提供する情報(登記情報、購入時のパンフレット、設計図、仕様書、重要事項説明書、リフォーム時の資料や瑕疵情報)を元に、時には法務局にて権利関係やインフラ状況の確認を行います。(売却が決まった際、購入者への重要事項説明を行うために必要です。)

■指定流通機構への登録

・不動産会社は、媒介契約に基づき、物件情報を指定流通機構に登録します。

■広告媒体への掲載

・インターネット広告のほか、新聞の折り込み広告やダイレクトメールなどで集客活動を行います。(不動産広告には、不動産業界が設定した不動産広告の表示に関する自主規制基準があるので、これに則った広告になっているか、売り主としても確認しておきましょう。)

■購入希望者の内覧案内

・物件に関心をもつ購入希望者が現れた場合、内覧に案内します。
・時には、オープンハウスを開催する場合もあります。オープンハウスについては、こちら。

■販売活動の報告

・不動産会社は、媒介契約に基づき、売り主に活動報告を行います。
頻度などは契約した媒介契約の種類および媒介契約時に決定した内容となります。

※活動報告を受ける際のポイント
・どのような販売活動を実施したか、どのようなコメントがあったか等、報告してもらいましょう。

報告内容から、
-不動産会社が熱心に販売活動を行っているか
を判断し、
-購入希望者が少ない場合には、不動産会社がどのような対応を検討しているか
についても説明を求めましょう。

気になることがあれば、随時報告を求めてもよいでしょう。

★一定期間がたってもなかなか物件を売却できない場合には、販売活動を見直す必要があります。周辺の市場動向や購入希望者の反応などから、売却できない原因を分析し、不動産会社と対応を協議しましょう。

※売れない原因と見直しのポイント(例)
・相場より高い価格設定になっていないか
売り出し価格の見直しが必要。ただし、短期間で小出しに値下げして売れ残り物件のようなイメージを与えないこと。
・物件のメリットを適切に伝えているか/デメリットを冷静に判断しているか/修繕したほうがよい箇所はないか/不要なものは片づけるなど、好印象を与えるための準備を怠っていないか
物件のアピール方法を再検討
・不動産会社の販売活動は熱心か/有効な広告宣伝が行われているか/いつでも見学希望者を受け入れられる態勢を整えているか
販売活動の見直しが必要

購入希望者が見つかったら→6.購入希望者との条件交渉

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