マンションを必ず売るための戦略【売却価格設定の仕方】
マンションを必ず売るためには、不動産会社に頼りきりになるのではなく、まず自分なりの売却ストーリを作っておくことが成功の秘訣です。
- なぜ売るのか
- いつまでに売りたいのか
- いくらで売りたいのか
- 売った後の住むところはどうするのか
このような要件が明確であれば、不動産会社との交渉もしっかり行えます。
早々に不動産会社に相談するのではなく、まずは自分で情報収集をし、戦略を立てた上で相談を持ち掛けましょう。
マンション売却の目的やスケジュールを整理しよう
なぜ、売却の理由やスケジュールなどを明確にしていくことが重要なのでしょうか。
それは、マンションという大きな財産を売却するにあたり、自分の希望を最大限にかなえるためです。
様々な条件を整理して、中古マンションを早く高く売るための道筋を立てましょう。
まずは、売却の理由は何でしょうか。
- 転勤や子供の通学・成長に伴う住み替え
- 住宅ローン解消のための売却
- 今は居住していないが相続したマンションの売却
など、様々な理由があると思います。この理由について更に考えていくと、
- いつまでに新しい家に移る必要があるか
- ローンの残額がどれくらいあるか
- 売却による資金をどれくらい残したいか
といった、売却価格に関わる希望条件も洗い出せます。
このように、自分の考えを整理していくと、
- 希望の売却価格
- 売却のスケジュール(いつまでに売りたい、いつまでに引っ越したいなど)
- 新居が必要な場合は、購入するのか貸借するのか
- 場合によっては、売却ではなく賃貸に出すことも考えたいのか
と、様々な希望条件が明確になってきます。
もちろん、すべての条件がかなえられればよいのですが、そうはいかないのがマンションの売却です。
自分なりに、各条件の幅や譲れる範囲も検討しておくことで、今後、仲介してもらう不動産会社と詳細の相談・検討をして 納得のいく売却ストーリを立てていけるでしょう。
マンション売却価格の相場を知ろう
一般的に、不動産(マンション)の売買には、専門家による判断が必要になる場面が多いので(宅地建物取引業に則る必要がある)、不動産会社に仲介を依頼することになります。
不動産会社の言いなりになって納得のいかない売却をしないためにも、まずは自分で情報収集し、おおよその売却価格の想定、相場感をつかんでおきましょう。
不動産(マンション)は、面積や方位・階数・間取り・築年数・管理方法などそれぞれが様々な条件をもっているので、価格に正解はないと言えますが、一般的に入手しやすい下記の情報でおおよその希望売却価格を想定しましょう。
- インターネット広告や大手の中古物件仲介サイト
- チラシ (近隣物件の売り出し価格や、どんな不動産会社が近隣のどんな物件を扱っているかをみておきましょう。)
上記のような方法で得た情報について、「価格÷面積(㎡)」で、1㎡あたりの単価を計算し、あなたのマンションの面積をかけてみてください。
これが、相場の参考価格になります。
例えば、あなたのマンションの近所で、80㎡のマンションが3200万で売られていたとして、売却予定のマンションが65㎡だとすると、3200÷80×65=2600万円という参考価格になります。
もちろん、あくまでも参考価格です。
この通りの金額が査定金額になるとか、売却金額になるとは限りません。
チラシやインターネットで得た情報は売り出し価格であって、売却価格とは限りませんし、上記の計算以外に「経過年数(築年数)」や方位などの細かい指標によって価格は変わってきます。
また、売却価格は売り主の状況によっても変わってきます。
①早く売りたい場合
買い替えの物件が決まっていて、なるべく早く売却したいような場合は、売却価格は相場通りの価格もしくはそれよりも安い価格になるでしょう
②時間はかかってもいいから高く売りたい
売却の期限が特にない場合は、相場の金額や不動産会社が出した査定金額に対して、自分の希望する売却金額に近づけた金額で売り出すことが可能でしょう。
実際の売却では、不動産会社の査定金額が自分で調べた相場感より低かったり、買い主からの値下げ交渉があったりして思い通りの金額にはならないかもしれません。
このあたりの状況の予想して、いくつかの「価格パターン」を決めていきましょう。
マンション売却価格を決めるには「査定額」「売却希望額」「最低売却価格」の3つを考えよう
実際の売却にあたっては、3つの価格パターンを用意しましょう。
・不動産会社が出す「査定額」
・売り主であるあなたの希望額「売却希望額」
・売り主としてここまでは下げられるという「最低売却価格」
上記3つです。
まずは売り主であるあなたの状況から「売却希望額」と「最低売却価格」を想定しましょう。
①売却希望額
売り主であるあなたが「この金額で売りたい」と思う希望の金額です。
現在のマンションの住宅ローンの残債金額や、新居の購入金額などがベースとなるでしょう。
例えば、現在のローン残債が2300万円あり、手持ちの資金が200万としましょう。
相場の参考価格は上記の2600万として、仲介手数料などを含む諸費用の概算が120万。
新居の頭金が300万の予定です。
参考価格の2600万円で売り出すことができれば、手持ち資金の200万と合わせて2800万。
ここからローン残債、諸費用・新居の頭金を差し引いても80万円残るので、2600万での売却は可能といえるでしょう。
もし、手持ちの資金を残したいということであれば、2720万(2300万+120万+300万)を売却希望額にするといったことが可能です。
②最低売却価格
売り主として、最低限ここまでなら価格を下げられるという金額です。
住宅ローンの残債金額と諸費用がベースとなります。
①の例ですと、住宅ローン残債が2300万+諸費用120万の2420万が本当の最低限となりますが、新居の頭金300万を考慮すると手持ち資金が200万なので、できれば2520万までで売りたいということになります。
③査定額
不動産会社が、これまでの取引事例や周辺地域の相場、各社の指標を基に割り出すのが「査定額」です。
これは、不動産会社がこの金額であれば売れると考える金額です。
一括査定サイトなどを利用して、各社から査定金額を取りましょう。
もちろん査定額は自分が想定していた金額とは異なるので、査定額がでたら上記の要領で「売却希望額」と「最低売却価格」を計算しておきましょう。
不動産会社が売れると考える金額が査定額ですが、必ずしも査定額=売却価格ではありません。
売却価格は最終的には売り主が決めるものです。
一刻でも早く売らなければならないのであれば、「査定額」で売り出してもいいですし、時間が許すのであれば、じっくりと「売却希望額」で購入してくれる買い主を探しても良いのです。
不動産会社のアドバイスを参考にしつつも、大事な売却金額の決定ですから、自分の意見もしっかり出しつつ、納得のいく金額にしましょう。
マンション売却のスケジュールと売却価格はセットで考えよう
「査定額」「売却希望額」「最低売却価格」を割り出したら、それらはマンション売却のスケジュールとセットにしておきましょう。
これが中古マンション売却戦略の肝です。
売り主であるあなたの都合として、いつまでに売れなければならないという期限がある場合と、時間がかかっても高く売りたい場合とでもセットの仕方が変わってきます。
①期限がある場合
例えば、一戸建てへの買い替えのため3か月後には売却したいという期限がある場合で、査定額は2600万、売却希望額は2720万、最低売却価格を2520万とすると
売り出しは、値引き交渉があることを考えて希望額の2720万で開始
↓
2週間後:反応がなければ2680万に値下げ
↓
1か月後:査定額の2600万に値下げ
↓
2か月後:2580万に値下げ
↓
2.5か月後:2520万に値下げ
といったように、スケジュールとその時の価格を決めておきましょう。
どのタイミングでどれくらいの値下げをするかは、実際の内覧者数などで調整することになります。
また、中古マンションは、売却開始してから2週間以内にどれくらいの内覧者が現れるかが、価格見直しもしくは販売戦略の見直しのマイルストーンになるようです。
仲介の不動産会社が活発な販売活動をしてくれているにも関わらず内覧者が少ない場合には、売却価格の見直しをする必要があるでしょう(もちろん、納得のいく理由でない限り簡単に値下げに応じてはいけません)。また、より積極的にオープンハウスを実施してもらうなど販売活動を見直すこともできます。
また、値下げをする場合も、短いスパンで値段を下げてしまうと、もっと下がるのではないかと様子見をされてしまう可能性があるので、どのタイミングで値下げを行うかはよく相談しましょう。
②時間がかかっても高く売りたい場合
特に期限がなく、できるだけ希望金額で売りたい場合は、3か月から半年くらいのスパンで価格や販売戦略の見直しをするのがよいでしょう。
3か月は媒介契約期間のスパンでもあるので、場合によっては価格だけでなく仲介の不動産会社とのお付き合いを見直すことも考えられます。
注意すべきは、チラシや広告媒体にずっと載っていると「売れ残り物件」という印象を与えてしまうので、期限がないとはいっても、購入希望者との兼ね合いなどで時には値下げに応じるなどして自分の納得のいく金額の幅で売り切ることも重要です。